ブログ・施工事例サッシ屋2代目の徒然日記
内窓プラスト導入秘話。北国の窓が九州に届くまで

窓を替えてくらしを変える。
熊本と福岡で窓と玄関のリフォームを行っているフクシマ建材の福嶋智和です。
今から10年以上前、内窓プラストを扱いたいとメーカーの大信工業へ連絡したとき、私たちは一度断られています。
西日本には窓の事業の営業拠点がなく、九州の小さな会社へ商品を届ける仕組みがなかったためです。
それでも今では、窓の防音や断熱を目的として、内窓プラストを熊本や福岡のお客様に数多くお届けしています。
今回は、私たちがなぜ内窓プラストに惚れ込み、どのようにして例外としてのお取引を結ぶに至ったのか、当時の実際のやり取りを振り返りながらお伝えします。
目次
- 最初は断られた問い合わせ
- プラストは北国の寒さから生まれた
- 小さな会社が伝えたこと
- 例外として届いた返事
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. 最初は断られた問い合わせ
今から10年以上前のことです。
当時、フクシマ建材の代表となっていた私は、熊本でお客様の窓のお困りごとを解決するための製品を探していました。
他社との価格競争に巻き込まれず、本当にお困りのお客様の役に立てる強い製品を提案したいという思いがありました。
そこで見つけたのが、大信工業が作っている樹脂製の内窓プラストです。
商品ラインナップを充実させてお客様に提案したいと考え、私は大信工業へメールを送りました。
熊本で窓リフォームを展開していること、プラストを取り扱いたいこと、取引の条件を教えてほしいことを記したメールです。
しかし、営業の方からいただいた電話は、残念なものでした。
出荷したい気持ちはあるものの、西日本への営業インフラがないため、問い合わせがあっても丁重にお断りしているという内容でした。
大信工業の営業拠点や工場は、歴史とルーツの関係で関東より北にしかありませんでした。
中京や関西、中四国、そして九州には、窓の事業の営業拠点が全くなかったのです。
営業の方からは、すんなりと相談に応じられず心苦しいという丁寧なメールも届きました。
拠点が離れすぎているため、遠く離れた熊本の会社に製品を卸すことは難しいという現実的な壁でした。
私は、また問い合わせますとお返事しました。
2. プラストは北国の寒さから生まれた
断りのメールには、大信工業という会社がどのように歩んできたのか、そして内窓プラストがどうやって作られたのかが詳しく書かれていました。
大信工業は、一般的なアルミサッシメーカーではありません。
樹脂を原料から製造して押出成型を行う化学メーカーです。
創業のころから、サッシの枠や障子部分に使う気密材などを開発し、アルミサッシ大手に部品として供給してきた歴史を持っています。
気密材で隙間を埋める技術とノウハウを蓄積してきた会社でした。
その技術を活かして生まれたのが、内窓プラストです。
当時のメールによると、元々は北海道や東北地方の寒冷地向けに、断熱と省エネのために、大信工業が業界で初めて製品化した樹脂製の後付け二重窓でした。
旭川市のように冬場に氷点下30度にもなる地域では、中途半端な性能の窓では寒さに耐えられません。
そうした厳しい環境のなかで、寒冷地に暮らす方々の住環境を少しでも和らげたいという創業者の使命感から開発され、改良を重ねてきた集大成がプラストでした。
その構造の大きな特徴のひとつが、あえて鍵を付けていないことです。
一般的な引き違い窓には、真ん中に締め具としての鍵が付いています。
しかし内窓プラストには、あえて標準で鍵が付いていません。
それでも鍵に頼らず高い気密性能を保てるように工夫されています。
合成樹脂の専門メーカーとして、アルミと樹脂の素材の性質の違いを知り尽くしているからこそ作ることができた構造でした。
隙間を埋める本物の気密性能が、そこにはありました。
3. 小さな会社が伝えたこと
営業の方からの丁寧なメールを読み、大信工業とプラストの理念がよく分かりました。
そして、フクシマ建材の現状と私の思いを正直に伝える返信を送りました。
当時、私たちの会社は従業員5名の小さな規模でした。
会社は父が起業したもので、当時は私が代表を引き継いでいました。
それまでは下請けの仕事が中心でしたが、その数年前から自社サイトを開設し、直接お客様へ窓リフォームを届ける事業に力を入れ始めていた時期でした。
当時、住宅エコポイント制度が始まったことで内窓が知れ渡った嬉しさの一方で、私には強い危機感と違和感がありました。
一般的な内窓では営業力のある大手に顧客を取られ、制度が止まれば需要も激減します。
どのサッシ店でも扱える製品では価格競争になり、小さな会社は生き残れません。
だからこそ、価格競争に巻き込まれない付加価値を持った製品が必要でした。
お客様の満足のために、内窓プラストを取り扱わせてほしいとお願いしました。
カタログを拝見し、これならお困りのお客様の役に立てると確信したからです。
もちろん、最初から大量の仕入れができるわけではありません。
そこで私は、まずは自宅や自社に試験的に取り付けて、取り付け方法や効果を確かめさせてほしいと提案しました。

福嶋の自宅に試験で取り付けた内窓プラスト
研修や契約が必要であれば大信工業まで出向くことも書き添え、お客様に迷惑のかからない形での試験導入をお願いしたのです。
4. 例外として届いた返事
メールを送った後、大信工業の営業の方から返信が届きました。
そこには、私たちの商売に対する前向きな考えと将来の方向性に深く共感したこと、そして熱意を本社に伝えてお取引が叶うように動いてみるという言葉が書かれていました。
営業の方は、首都圏でプラストを扱っている会社の特徴も教えてくれました。
その特徴は、次のような点でした。
・物量よりも質を追求していること
・商売の対象として建築業者ではなくエンドユーザーに目を向けていること
・自社の付加価値と提案力に自信を持ち、合い見積もりの値引き合戦に頼らないこと
これらの特徴を読んだとき、まるで自分のことを言われているように感じました。
そして後日、大信工業から嬉しい知らせが届きました。
西日本に営業インフラがない遠隔地ではあるものの、熱意と前向きな姿勢を受け止めていただき、例外的な事例として、本社から取引の内諾をいただいたという連絡でした。
数は求めないので、焦らずじっくりと九州でプラストのファンを育ててほしいという温かい言葉をいただきました。
自宅での試験施工も快く認めていただき、担当の営業窓口も1名配置していただけることになりました。
その後、私は東京で施工の勉強会に参加し、内窓プラストの九州唯一の推奨施工店になりました。

2012年3月15日、大信工業で内窓プラストの認定証書を受け取ったとき
断られたところから始まったご縁でしたが、お客様のために本物の窓を届けたいという思いが、遠く離れたメーカーに伝わりました。
このとき始まったご縁が、今の内窓プラストの施工につながっています。
よくある質問(FAQ)
Q. 内窓プラストにはなぜ鍵が付いていないのですか。
大信工業が気密材の専門メーカーとして、鍵に頼らなくても高い気密を保てる工夫を凝らしているためです。
アルミと樹脂の素材の特性を知り尽くした独自の工夫により、あえて標準では鍵を付けない仕様になっています。
Q. なぜ北国で生まれた内窓が熊本や福岡でも必要なのですか。
冬の寒さ対策はもちろんですが、気密性能の高さが、外からの騒音を防ぐ遮音対策にも役立つためです。
当時の大信工業のお話では、東京では幹線道路や鉄道、航空機の音の対策として、新築のマンションなどで採用されていました。
現在では、室内の音を漏らしたくない方から、例えばピアノの音や室内でのゲーム実況など動画配信をしている方からのお問い合わせも増えています。
Q. プラストを見てみることはできますか。
菊池の体験型ショールーム マドラボ®で、実物を見て確かめていただけます。
福岡のお客様には、現地訪問で体感いただけます。
まとめ
大信工業の内窓プラストは、北海道などの厳しい寒さの中で暮らしを守るために生まれた製品です。
隙間を埋める気密の技術は、寒さだけでなく騒音に悩むお住まいにとっても力になります。
最初は遠隔地という理由でお断りを受けましたが、価格競争ではなく本当にお困りのお客様に本物を届けたいという私たちの思いを受け止めていただき、例外としてお取引が始まりました。
寒さだけでなく外の音にも効く気密のつくりは、菊池のショールーム マドラボ®で、実物を見て確かめていただけます。
現在お住まいの寒さや外の騒音でお困りの方は、ぜひ一度ご自宅の窓を見せてください。
写真をお送りいただくだけでも、取り付けが可能かどうかお答えできます。
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