ブログ・施工事例サッシ屋2代目の徒然日記
騒音はガラスを通過して侵入する!
ここでは空気の振動によって伝わる騒音に有効である窓の防音工事の紹介をします。
空気の振動によって起こる騒音は、物質(壁やガラスなど)によって遮音されます。
物質の量(厚さ)が大きいほど遮音する音が大きくなりますので、外壁に比べ総厚みが薄い窓(ガラス)のほうが騒音を通しやすくなっています。
ではここでガラスの防音性能について説明します。
<縦の数値>
透過損失とは、音がガラスを通過した時に音圧レベルがどれだけ少なくなったか?を示す数字です。この数字が大きい程、防音効果が高くなります。
<縦の数値>
右に行くにつれて音の高さが上がります。それぞれのガラスにも騒音の高低によって得意・不得意のエリアがあります。
- 3ミリ1枚ガラス(紺色):一般の1枚ガラス
1枚ガラスとして最も多く使われているガラスです。防音性能は高くありません。 - 5ミリ1枚ガラス(赤色):大きめの1枚ガラス
テラス窓などの大きな窓に使われているガラスです。当社ではインプラスの1枚ガラス仕様では断熱性能を考え、基本的にこの厚さを使います。高音域では3ミリガラスより防音性能が低い部分があります。 - 3ミリ+空気層6ミリ+3ミリ(緑色):総厚み12ミリのリフォーム用ペアガラス
発売初期のペアガラスです。現在は主に1枚ガラス用のサッシへのリフォーム用に使われています。低音~中音域では(1)3ミリ・(2)5ミリの1枚ガラスに防音性能で負けています。 - 3ミリ+空気層12ミリ+3ミリ(紫色):総厚み18ミリのインプラス用ペアガラス
最近のスタンダードな厚さのペアガラスです。インプラスのペアガラスはこの厚さです。低音域では(1)3ミリ・(2)5ミリ・(3)12ミリのどのガラスよりも防音性能で負けている部分があります。高音になるにつれて格段に防音性能は高まっています。 - 防犯ガラス約6ミリ(水色)
防犯編で紹介した防犯ガラスです。ガラスとガラスの間に挟みこんだ0.75ミリの特殊フィルムが音の原因となる振動を吸収しますので安定した防音効果もあります。高音域ではグラフが落ち込み、ペアガラスに負けている部分もあります。 - 防音ガラス約6ミリ(オレンジ色)
防犯ガラスの特殊フィルムを防音用に特化したガラスです。低音~中音部では(5)の防犯ガラスと似たような性能ですが、高音域での落ち込みがありません。中音~高音域でペアガラスに負けている部分がありますが全体的に安定した防音効果があります。
このように、ガラスの種類や厚みで、低音域に強い・高音域に強いなど一長一短があり、防音効果は様々です。ペアガラスだからといって単純に防音に優れているとは言えません。これは結構誤解されていますね。
現在のガラスの入替交換だけでは思うほどの防音対策ができない!というのが正直な所。フクシマ建材(株)としてもお勧めはしていません。特にマンションですとガラス交換は外観の変化により管理会社からの許可が出ないという事もあります。
今のガラスの弱い音域をカバーする種類のガラスを追加してあげる。内窓を取付けて、もう一枚ガラスを追加するという工事が窓の騒音対策ではお勧めです。
マンションでも外観の変化が分かりにくい室内側での工事になるので管理会社からの許可が取りやすいです。
ガラスの種類による防音性の違い
ガラスの種類(単板3㎜等)をクリックして複数のガラスの性能を比べることが出来ます。